マニュアルより状況判断
2018/11/15
午後3時
ショッピングモール内
お茶でもしようとカフェに入りました。
「いらっしゃいませ。
こちらがグランドメニューですお食事の説明をさせていただきます
こちらのセットがこちらの前菜からお選びいただき・・・・」
途切れなく延々と説明が続きます。
「いえ、飲み物だけなんですが」
私たちは口をはさむことができず
長い説明を聞き終え
やっと
「カフェオレ・・・2つ」
申しわけない気持ちで言いました。
時刻は3時
買い物袋を複数持った女性2名
どっこいしょ!とばかり椅子に座り
・・・と
おそらく落ち着いて状況判断をすれば
こんなことはなかったと思います。
・・・と、レジ付近に立っている男性が目に入りました。
どうやら本部の人が視察に来ているようです。
そうなんです。
チェックされている店員さんは
マニュアル通りのご案内をしたのですね。
彼の頭の中は
とにかく「マニュアル通りの応対」をすることでいっぱいだったと思います。
しかし
チェック項目に〇が入ってとしても
何を最優先に仕事をしているのかが
違和感としてお客様にしみ込んで行きます。
これはもちろん応対してくれた店員さんの精ではないです。
そういう文化を築いていらっしゃる本部側の責任ですね。
私は預言者ではないですが
かなりの高い確率でこのカフェは
姿を消していくことになると思います。

聞こえてはいけない内輪の事情
2018/11/14
付き添いで行った病院でのこと。
「私は、結果が聞きたいだけなんで」
女性患者さんが繰り返しています。
どうやら、
ドクターとお話をするための待ち時間について話しているようです。
時間は11時30分。
ドクターとのお話は13:00を過ぎるとのこと。
「検査の結果がまだでませんので・・・お待ちいただかないと・・」
ナースの方が一生懸命説得をしています。
「でも、話を聴くだけですから」
困りはてたのか、ナースの方が言いました。
「○○先生は今休憩に行っているんです」
正直な言葉に
「・・・」
患者さんは黙りました。
納得したのとは少し違うだんまりでした。
「ではお昼過ぎに来ます」
患者様はどこかに行ってしまいました。
さあ、そこで私たちです。
「○○先生って・・・私たちの担当じゃない」
「でも、私たちは予約してきているんだから」
わずかな不安が広がりかけたころ
「黒岩さん、○○先生の診断が押しておりまして
よかったら先にお昼ごはんに行ってきてください」
(やっぱり・・・)
どうやら、診断が押しているとされる○○先生は
本当に休憩に行っているようです。
「本当は休憩なんですよね。予約の患者を待たせて」
という大人げない言葉は
今後のことを考え飲み込みながら
まあ、何らかの事情があったのでしょうと
私たちも少し早いお昼ごはんに行くことにしました。

雨上がりの朝の「おはよう」
2018/11/13
今朝はゴミ出しの日。
あ
まだ雲は厚いけれどどうやら雨はあがりそうです。
1台の車がやってきました。
車をやり過ごそうと道の端に寄りました。
「おはよう」
車の中から手を上げておじいさんが挨拶をしてくれました。
「おはよう」と言いながら上げた手からは
「ありがとう」が伝わってきました。
挨拶は「何を言ったか」ではなく
「何が伝わったか」が大事。
おじいさんからは
「おはよう」の挨拶と「ありがとう」の両方が伝わってきました。
挨拶は相手に送る大切なギフトだとセミナーでもお伝えしています。
二つのギフトをもらった朝。
どうやら陽も差してきたようです。

会社の業績を支えるのは誰
2018/11/12
企業にはそれぞれ部署があり担当があります。
私は時々思うのです。
誰が企業の業績を支えているのか。
営業さん?商品開発?
どちらでもあるし、どちらでもないですね。
先日電話をかけたある企業様。
電話に出た女性
こちらの問い合わせに答えるのみ。
最初から最後まで「わが社を利用してほしい」という思いは伝わってきませんでした。
同じ業種の別の企業様に電話をかけました。
こちらは
「どちらからですか」
「遠くからありがとうございます」
「資料をお送りしましょうか」
「もし何かありましたらまたお電話お待ちしております」
どちらも営業さんではなく
たまたま電話に出られた方だと思います。
外部の電話を受ける可能性のある方は
全て営業トークができないとお客様を逃してしまいます。
・・・では、どうしたらいいのか。
せめて上記の「」内が適宜言えるだけでも違ってきますね。

お嬢様の命令に応えるCAさん
2018/11/11
先日の出張の際
飛行機内での出来事
スーツケースを持った若いお嬢様が乗ってこられました。
機内持ち込みは頭上に挙げるのが結構難儀です。
かくいう私もスーツケースは必須ですが
頭上に挙げるのが身長の低い私には困難で
いつも手荷物として預けています。
「手伝ってもらえますか!」
やや語気を強めた声が私の背後から聞こえました。
先ほどの彼女です。
にこやかにCAさんは応じていたのですが
その言い方は・・・。
「すみません。荷物を上げるのを手伝ってもらえませんか」
せめて「すみません」くらいは言えばいいのにと思いましたが
さすがにこやかに答えたCAさんは素晴らしいです。
「ありがとう」くらいはあるでしょうと
耳を澄ませていると
「毛布をください」
・・・・・・・。
お嬢様の命令はさらに続いたのです。
にこやかに毛布を手渡していたCAさんは
やっぱり素晴らしいです。

電話応対は最初が肝心
2018/11/08
3日間の九州出張が終わり鹿児島空港です。
飛行機の時間までまだ間があるので展望デッキで書いてます。
先日電話を掛けたある企業様。
「お電話ありがとうございます。
○○で~~す」
異様に伸ばされた語尾
眠そうなトーン。
思わずこちらも言葉を飲み込んでしまいました。
第一印象とよく言いますが
電話応対でも最初が肝心です。
最初の印象の良し悪しが相手の感情の行方を決めてしまいます。
せっかくかけたので色々聞いてはみたものの
不安が増す一方でした。
トーンが低いのは暗い印象
語尾を伸ばすのは幼い印象
明るく語尾は笑顔ですっきりと切るのが良い第一印象を与えます。
・・・しかし
この電話に出てくれた彼女
異様に付け足してまで語尾を伸ばしたのは
何かわけでもあるのでしょうか。
と、今でも不思議に思うのです。

アップグレードから体験
2018/10/30
「本日はお部屋をアップグレードしてございます」
フロントでこういわれる時があります。
「ラッキー!」
心の中で誰しも思いますよね。
今回はラッキー度が違いました。
お部屋に入るとまるでスイートルーム。
オーシャンビュー、TVは2台、広さ、きれいさ
食事はいらないと伝えていましたが
あまりのお部屋のアップグレードに申し訳なくなり
夕食をホテルおレストランで食べることにしました。
ビュッフェ形式でしたが
「お客様、パイ包みのシチューはいかがですか」
「デザートにお汁粉はいかがですか」
テーブルに持ってきてくださる気の使いよう
「お客様、本日はお仕事ですか、観光ですか」
「仕事です」
「ではお時間がございましたら、こちらもご覧ください」
観光の小冊子をもってきてくださいました。
最近、格式の高い古いホテルに泊まることがあります。
しかし
応対には何か物足りなさを感じていました。
この「歩み寄り」ですね。
もちろん「歩み寄られたくない」お客様も大勢いらっしゃいます。
そこをこちらのホテルのスタッフさんはよく見ているのですね。
全てのお客様に声をかけているのではないようです。
一言話しかけて反応を見ているようです。
反応が悪いお客様
そう
「歩み寄られたくない」お客様ですね。
そういったお客様には
遠くから様子を見て必要な時だけ声をかけています。
さすがですね。
でもそうはいってもその見分けが難しいですね。
まずは一言話しかけて
語尾が上がるか下がるか気を付けて聴いてください。
語尾が上がるお客様には
まだまだ話しかけても大丈夫です。
アップグレードからハイレベルなサービスに触れることができました。

すごいホテルスタッフさん
2018/10/27
佐賀駅前で宿泊しました。
朝、ホテルを出ようとすると
あめ・・・!
「え~!雨!」
玄関口で思わず言った一言
「どうしよう。駅は目の前だけど結構降っているし
部屋に戻って傘を持ってこようか」
と、体の向きを変えた私の目に
ホテルの女性スタッフさんが傘を抱えて走ってくる姿が!
「え~!雨!」
から1分もたっていません。
「どうぞお使いください」
「ありがとうございます。なんて気が利くんでしょう」
思わず出た私の誉め言葉に準備ができていなかった彼女は
「あ、ありがとうございます」
人柄の良さが伝わってきます。
おそらく彼女は
雨が降っている
こんな日は傘を持っていないお客様がいるかもしれない
傘を準備しておこう
そして
出口に向かうお客様の手元を見ておこう
出口での所作に気を付けておこう
「え~!雨」
で、素早く行動ができたのではないでしょうか。
他の作業もしているから、そんなに気を配っていられないよ
という方もいるかもしれないですね。
今日は雨だからこういうことが予想されると
想像力を働かせ準備をするだけで
サービスの瞬間はつかめます。
しかし、
1分以内で行動できたコンフォートホテル佐賀のスタッフさん。
すごいスタッフさんです。

仕事の領域
2018/10/22
佐賀に来ています。
明日の企業様研修に備え前泊です。
県庁の最上階にある展望レストランで夕食を食べることにしました。
・・・が、どこから入るかわからない
まあ、方向音痴の私、いつものことです。
守衛さんに尋ねました。
「あの~、展望レストランに行きたいんですが」
「はい、ご案内します」
なんと
守衛さん、エレベーターまで案内してくれました。
しかも
途中、
「今日は霧があるので見えにくいかもしれませんが
普賢岳がこちらの方向に見えます」
「普通の山とは違った形をしています」
などと身振り手振りで見どころまで説明してくださいました。
私の仕事は製造です。
私の仕事は会計です。
私の仕事はインフォメーションです。
と、自分の仕事の縄張りを主張する人がいます。
人の縄張りは知りません、その代わり私の縄張りにも入らないでください
といったタイプの方たちです。
一方、この守衛さんのように
自分ができることは言われなくてもする
触れ合う全ての人が喜んでくれること
それが私の仕事です・・・と行動で示す人がいます。
どちらがサービスのプロなのかわかりますね。
これから佐賀には年に数回お邪魔することになります。
楽しみが増えました。

感情の行方を変えた研修生
2018/10/16
クレームは好きではないですが、言わざるを得ない場合もあります。
友人と月一で行くレストラン。
目の前に運ばれてきたトンカツ
妙に赤みが残っています。
「すみません。赤みが残っていますので揚げ直してもらえますか」
店員さんに声を掛けました。
「申し訳ございません。新しいのを揚げてきます」
他のお料理を食べながら待つこと数分。
「お待たせいたしました」
運ばれてきたトンカツは心なしか・・・薄い。
いやいや、気のせい、気のせいとトンカツを口に・・・
ん?・・・くさい、ん?・・・やはりくさい!
いわゆる獣のにおいですね。
友人も同じように感じたようです。
二人ともそれ以上食することができず
会計の時に店員さんに伝えることに。
ところが
会計をしてくれた店員さんの胸には「研修生」の札が
ダメもとで、やんわり伝えました。
話の内容をいち早く察すると
カウンターの中から出てきて
ここまでのいきさつを言う私にしっかり相槌を打ちながら
「申し訳ございません」
申しわけない表情で頭を下げながら話を聴いてくれました。
慌てることなく、ちゃんとした態度は
クレームを受け止める軸ができているようでした。
そのクレーム応対の基本とでもいうべき姿に
メインのトンカツが食べれれなかったことの不満は忘れ
「いいえ、こちらこそ揚げ直してもらったのに
残してしまってすみません」
完全に感情の行方が変わってしまいました。

