本音が見える応対
2020/10/20
「7時30がオーダーストップで8時前には閉めちゃうんですがいいですか」
あるレストランで
「いらっしゃいませ」の前に店員さんが言った言葉。
通常なら「じゃあ、またにします」と帰るのですが
他を探すのも面倒だったので入ることにしました。
お客様は私たちを含め3組
恐らく前の2組で後片付けに入りたかったのでしょうね。
疲れの見える店員さんは
本音を隠そうとせず疲れたようにメニューを置き
早く仕事を終えたいように注文を聞き
特別頑張らなくてもいいんだというように
お料理を運んできてくれました。
疲れた体と気持ちを引きずるように働いた経験が私もあります。
「一客入魂」とは会社員時代の上司の言葉
一人のお客様に魂を込めて応対する。
中々、現実には難しいです。
でも、やらなければいけないのがプロです。
私は気持ちがマイナスに向かい始めると
”思ったことと反対のことを言う、行動する”と
自分にも一緒に働く人にも言い聞かせていました。
疲れた→元気に
イラっとする→愛想よく
先に作った商品から買ってほしい→出来立てを進める
高額商品を注文してほしい→お買い得品を進める
といった具合です。
余計に疲れそう?
いいえ
これが意外と効果があります。
言葉や行動のような気持ちになっていくのです。
疲れたときに疲れたように働くと
ドンドン疲れるだけですが
こうすると元気がよみがえってくるのです。
だまされたと思ってやってみてください。

つながる つながる
2020/10/17
2日間、ある企業様の電話応対研修をオンラインで実施いたしました。
つながるっていいですね。
ミレニアル世代にとっては当たり前のことが
遠く離れていてもお顔を拝見しながら研修ができるのは
私たち昭和世代には感動ものです。
先日も中央区の企業様を拠点に
10人以上の方々をオンラインでつなぎ接遇研修を実施しました。
私はワークやロープレが中心の研修スタイルなので
結構動き回ってしまうのですが
「オンラインの話し方まで勉強になりました」
と感想をおっしゃっていただき嬉しく思いました。
対面にも数人いらっしゃいますのでマスクをしたままだったのですが
表情を意識して大きく
そして
手を使いジェスチャーで動きを出すようにしました。
わかっていただけたのですね。
嬉しかったです。
●正面から話す
●表情豊かに話す
●ジェスチャーを交えて話す
これはオンラインの時だけでなく
伝わりづらいときにも使える大事なポイントです。
私も日々、勉強と実践です!
さあ、明日からは北陸です。

教育的指導
2020/10/16
お客様を教育的指導する・・・といったことがあります。
昨今のマスク着用もそう言えるかもしれませんね。
飛行機に乗ると
「マスクの着用をお願いします。マスクを着用いただけない場合は
ご搭乗をお断りする場合がございます」
といった教育的指導を含めた
リスク回避のアナウンスがあります。
お客様を教育的指導をするにはどうすれば良いのでしょうか。
先日泊まったホテル
朝食はバイキングです。
人気のレストランなので結構なお客様です。
一時はバイキングも中止されていましたが
最近はマスク、手袋着用で再開しているところが多いですね。
「お客様、マスクの着用をお願いします」
男性のお客様がマスクをしていないのに気付いたスタッフさんが声をかけています。
声をかけると同時に個包装されたマスクを差し出しています。
ただ注意を促すだけでなくマスクを常備しているのですね。
手袋も箱が空にならないように少なくなると補充しています。
お客様にお願いし、行動を変えていただくため
全てのお客様の安心を守るため
店側の行動も細部にわたり気を付ける必要があります。
食事が終わったテーブルとイスはきれいに消毒をしています。
店側のこういった安心・安全への気配りが
何よりお客様の教育的指導になるのかもしれませんね。

言葉の言い終わり
2020/10/13
昨日から南の島のホテルに滞在しています。
企業様の研修で接遇のお話をさせていただきました。
GO TOのおかげで
少しお客様も戻っているようですね。
ホテルの売店でお買い物をしました。
ほんのわずかな応対に
何か丁寧さを感じました。
言葉を最後まで言い切っているのですね。
最近多く聞かれる接客用語は
「以上で(よろしいですか)」
「支払い回数は(どのようになさいますか)」
「ポイントカードは(お持ちですか)」
( )の中はほとんど省かれています。
私はこれを虫食い言葉とよんでいます。
ところが、こちらの売店のスタッフのかたは
「ご一緒にまとめてよろしいですか」
「レシートをお渡しいたします」
など、最後までそろえた言葉をかけてくれます。
これだけで応対の質はぐんとあがりますね。
そうそう
かといって、お客様がこちらの言葉を予測して
話し始めた、
またはお返事を返してくれたときは
無理に最後まで言い切るよりも
言葉が重ならないように残りの言葉はしまっておきましょう。

特別扱いがどれだけできるか
2020/10/09
出張の際にいつも泊まるホテル。
体温を測るのも手馴れてきました。
ボールペンは手渡すとき
サッと消毒液で拭いて渡してくれます。
ここのホテルのスタッフさんは
ほぼ受付カウンターの中にいることはありません。
荷物を運んでくれたり、靴を直してくれたり
何かしらお客様の世話をしてくれています。
決してホテルマンのようなスマートさではないですが
細やかな気配りは高級旅館以上です。
先月伺ったとき
「前にいただいた○○のお料理がとてもおいしかったです。
今日も出来ますか」
と一緒に食事をしていた人が
ホテルの人にリクエストしました。
どうやら冬メニューだったらしいのですが
「材料がありますのでお作りします」
と提供してくださいました。
なんと
それを覚えてくれていたのでしょうね。
今月泊まった際にも同じお料理を出してくれました。
特別扱いされたようです。
朝食には生卵が出ます。
「今日はどのように焼きますか」
私が生卵ではなく
いつも焼いてもらっているのを覚えてくれているのでしょうね。
再び特別扱いされた気がしました。
お客様は皆、公平に接するように・・・
は、間違っていないですが
正しくもないですね。
正解は
全てのお客様を「特別扱い」することです。
お客様が「自分は特別扱いされている」と感じる人を増やすことです。
お客様だけでなく患者様、利用者様
全ての業種で言えることですね。
特別扱いは「特別な何か」でなくても
言葉を多くかけるとか、
お見送りをしっかりするとか
そうそう
覚えていますよのメッセージを伝えるだけでもいいですね。

機長のアナウンス
2020/10/01
今日から10月です。
今月は企業様テキスト9種、オンラインテキスト作成と
ご依頼に感謝のスタートです。
さて
先日搭乗したJALの機内でのこと。
離陸してしばらくすると
機長のアナウンスが流れてきました。
「只今、上空○○フィート、・・・」といったよく聞くアナウンスです。
ところが、今回の機長のアナウンスは更に続きがありました。
「本日は8名の客室乗務員が搭乗しております。
笑顔の素敵な客室乗務員です。ただ、今は感染症の影響で
マスクを常時着用しており、その素敵な笑顔をご覧いただけません。
早く感染症が収束することを・・・」
マスクをすることが当たり前
新しい常識は人間同士の・・・いえ、人間だけができる
笑顔のコミュニケーションを街中から無くしてしまいました。
笑顔に、もし光度があるとしたら
マスクで覆われ例え笑顔であったとしてもその光は十分に伝わりません。
この機長さんは今はお見せすることができないけど
マスクの下には素敵な笑顔があることを
改めて知らせてくれました。
それは乗客の私たちにとっても
ほっこりとするアナウンスでした。
搭乗していたCAさんの笑顔も更に増したようでした。

マニュアルやスローガンは何のため
2020/09/24
明日は早朝から九州へ出発
4日間の企業様研修です。
その後埼玉、銀座の企業様と続きます。
関わる全ての方を通じてお客様、患者様、利用者様の喜びのため
企業様の数字を上げるため準備が整いました。
さて
マニュアルやスローガンは何のためにあるのか
お客様にお代金がいただける最低限の決まり
というだけでなく
迷ったときに戻ることができる大切なものですね。
仕事をしていると迷うことはたくさんあります。
お客様や患者様は一様ではないので当然ですね。
そんなとき
マニュアルに沿えば解決できることもあります。
マニュアル通りだと対応しきれない
またはお客様に満足してもらえない時もあります。
そんな時に思い出すのが会社のコンセプト、スローガンです。
額に入れて壁に飾ってある
単なる飾りではなく
スローガン、コンセプトは方向性を示す標識です。
さあ、今日はこれから公開セミナーです。
セミナー内容は毎回事前アンケートをもとに
ブラッシュアップしながら
新しい内容をお伝えしています。
今回も楽しみです。

こんなことありませんか
2020/09/22
昨日ドラッグストアで買い物をしました。
マイバッグを持っていたので
カウンターに置かれた商品を自分で袋に入れました。
家に帰ってみると「リチウム電池」が2個入っていません。
きっとカウンターの上に置き忘れたのだと思い
店に電話を掛けました。
「ありました!どうも申し訳ございませんでした」
「いえいえ、自分が袋に入れたので・・・すみません」
「いえ、申しわけございません」
何度も謝ってくれました。
感じの良さに恐縮です。
どうも私は後ろに並んだ人を気にして慌てる癖があります。
小銭を出したくても後ろに人が並んでいると
お札だけを出してお釣りで更にお財布がパンパンになったり
カードやレシートもきちんとバッグに入れずに
そそくさとレジの前を明け渡します。
更に、最近はレジ前でやることが多く忙しいですよね。
マイバッグも折りたたんでいるので開くのに手間がかかります。
最近はクレジットで支払うことが多いので
ポイントカード、クレジットカードを出したり入れたり
しかも
最近はカードも自分でカードリーダーに通すので
店員さんより忙しいです。
店内には
「マイバッグのマナーです♪入口ではマイバッグの口を閉めて
お会計が終わったら・・・」
といった明らかに万引き防止のアナウンスが流れています。
企業にとったらそれも大事です。
でも買う側にしたらせめて袋詰めするスペースも作ってほしいものです。
・・・と、自分が入れ忘れた言い訳をしながら
秋の夕暮れ時、先ほど通った道を引き返したのでした。

何のために 誰のために
2020/09/19
先日行ったあるお店。
日本だけでなく世界各地に出店しているお店です。
ふと先ほどから流れている店内アナウンスが耳に入りました。
「・・・できるだけお買い物を早めに済ませていただくよう・・・」
何か違和感を感じ少し注意深く聞いてみました。
「従業員にも商品の場所などお聞きにならなよう・・・」
感染症の観点から
レジは離れて並んでください
入り口では消毒をしてください
ここまではわかります。
しかし
店での滞在時間を短くしてください
従業員に商品の場所とか商品の在庫とか聞かないように
というのは
いささかやりすぎなような気がしてしまいました。
大切な従業員さんを守る気持ちは企業姿勢として
素晴らしいと思います。
しかし
店内アナウンスで流すのが果たして正しかったのか。
創業者は奥様と二人で大きな店の軒先を借りて
商売をはじめられたようなことを聞いたことがあります。
今は代替わりされていると思いますが
創業者の方もこの事態に同じ方法をとったでしょうか。
日本だけでも3000店以上ものお店があるようです。
同じアナウンスが繰り返されていることを想像すると
寂しい気持ちになるのは私だけでしょうか。

本来の意味は
2020/09/18
ファミレスでのこと。
お昼時ということもあり店内は混雑していました。
一組のお客様が来店されました。
「お客様~、アルコール消毒お願いします!!」
店の中央付近から店員さんが大きい声でお客様に声をかけています。
「お客様!!アルコール消毒!!」
少し怒気を含んだようにも聞こえました。
しかし
それ以上に怒気を含んだ声で
「やりました!!」
お客様が答えました。
お客様はこれ以上ないぐらいに眉をしかめて怒りの顔です。
アルコール消毒は
店内にウイルスを持ち込まないためと
お客様ご自身の体を守るためでもあります。
お客様の安全のために
お食事前に手を清潔にしてください・・・といった目的ですね。
その目的が浸透していれば
発することがなかった言葉と言い方です。
確認不足のため大きな声で怒られた(?)お客様は
楽しいお食事の時間を過ごせたでしょうか。
またこのお店にきたいな~と思っていただけたでしょうか。

