黒岩智恵子の接遇セミナー 唯一無二
2013/10/02
今日も接遇塾「接遇セミナー」にお立ち寄りいただきありがとうございます。
私が一番好きな花はコスモスです。
いつもの散歩道が絵になる季節です。
しなやかな強さのあるこの花に、宇宙と名付けた人の気持ちがわかります。
大勢の中で調和し、それでいて「個」をキチンと主張している。
私たちはつい、お客様や患者様を「客数」「患者数」で捉えてしまいがちです。
「今日の客数は100人だった」
さて、何人のお客様のお顔が思い出せるでしょうか。
100人がお一人お一人の積み重ねだと、どれだけ実感できるでしょうか。
お亡くなりになった忌野清志郎さんはファンの方のお顔を覚えていたそうです。
総理大臣だった田中角栄さんは、陳情に来た人の家族構成まで覚えていたとか。
お一人お一人を、唯一無二のかけがえのない存在だと思われていたからでしょうね。
忙しい時は、できるだけ多くのお客様を「さばく」ことに力を注ぐと思います。
さばかざるを得ない状況の中でも、どうかお一人お一人が
唯一無二のかけがえのない存在であることを忘れないでください。
せめてあたたかな笑顔を絶やさないでください。
ほんの少しの風でも揺れるコスモスは
曇り空の中でも、ちゃんと太陽の方を向いて咲いています。

黒岩智恵子の接遇セミナー 間違い電話
2013/10/01
今日も接遇塾「接遇セミナー」にお立ち寄りいただきありがとうございます。
先日自宅に間違い電話がかかってきました。
「はい、黒岩です」「・・・・・。」
「もし、もし」「○○さんですか」
「いえ、黒岩です」「○○さんのお宅ではないですか」
「いえ、違います」「○○ー○○○○番ではないですか」
どうやら、番号は合っているみたいです。
しかし、それ以上の情報をお互いもっていないので
「スミマセンでした」で電話を切るしかありませんでした。
私たちの職場にも間違い電話がかかってくる時があります。
間違いとわかっても
「どちらにおかけでか」「何番におかけですか」
と親切に聞いてあげている方もいらっしゃいます。
袖触れ合うも他生の縁。
くれぐれも「違います」ガッチャン!にならないようにしましょうね。
そうそう、もう一つ。
間違い電話を切った後、
「もう、間違い電話だったわ!この忙しいのに!」
なんて言わないように。
電話応対マナーは、電話を切った後も続いています。
かけてきた相手に聞こえていなくても、あなたの周りの人が聞いています。

黒岩智恵子の接遇セミナー 受け継がれるもの
2013/09/30
今日も接遇塾「接遇セミナー」にお立ち寄りいただきありがとうございます。
今は空き家になっている実家に草むしりに行ったときのこと。
雑草の隙間に、母が生前植えた花が咲いていました。
いつ植えた花なのか、少なくとも5年以上前であることは確かです。
種を植え、手入れをしていた人はいなくても花は季節を忘れないのですね。
職場でも接遇の「種」を植えてくださる方がたくさんいます。
「なかなか、分かってもらえないんです。」
「その時はやってくれるけど、すぐに元に戻ってしまんです。」
教える立場の方達からこんなお話をよく聞きます。
でも不思議ですね。
私たちは自分が教えられたこと、注意されたことを
そのまま、今度は教える相手に伝えています。
「声が低い。もう少し明るい声で言ってくださいね」
と、新人の頃注意されていた人は、後輩ができると
「明るい声で言ってくださいね」
と、ちゃんと指導しています。
覚えているのですね。それが正しいことをちゃんとわかっているのですね。
教えた相手が花を咲かせるのは、こんな時かもしれませんね。
そうやって受け継がれていくものが、職場の風土になっていくのでしょうね。
大丈夫です。
教えたことがまだ芽が出ていないと感じても、ちゃんと芽吹く準備ができています。
お客様を思って、指導されたことは何一つ無駄にはなっていません。
すっかり雑草がなくなった庭を振り返りました。
母の植えたその花は、風に押されてこっくりとうなづくように揺れました。

黒岩智恵子の接遇セミナー 頼みやすさ
2013/09/28
今日も接遇塾「接遇セミナー」のお立ち寄りいただきありがとうございます。
先日打ち合わせに入ったコーヒー店でのこと。
注文するときにカップのサイズを聞かれるタイプのお店です。
一緒に行った方も私と同年代。
「買い方がわからないよね」「ねぇ・・・。」
カップの言い方はお店によって違う場合があります。
トールだったりラージだったり・・・。
気の利いたお店は、私たちみたいなお客様のためにレジ横にカップを並べてあります。
そしてそれを指さし「どのサイズにしましょう」と聞いてくださいます。
「これ!」
たった2文字で安心して答えられます。
いいですね。大好きです。この気配り!
レストランのメニューを見ても、色んなネーミングが商品につけられています。
凝った名前が付けられていると頼みづらい時があります。
で、結局注文するときはメニューを指さし「これ」。
商品開発をしている方がこんなことを言っていました。
「商品開発って名前つける時が一番大変なんだよ」
商品のイメージを考えて、一生懸命つけられているのだと思います。
しかし、消費者は
「これ」「あれ」「それ」で注文できるのが一番楽なのです。

黒岩智恵子の接遇セミナー 手紙
2013/09/27
頂いた手紙と3羽の折鶴です。
今日も接遇塾「接遇セミナー」にお立ち寄りいただきありがとうございます。
私の妹はほんの少し障害があります。
若い時から、ほとんど外に出て働いたことがありません。
そんな妹が、最近折り紙を折って妻楊枝入れを作っています。
折り方を教えた私よりはるかにきれいに折ります。
お世話になっている雑貨屋さんに
「お客様に差し上げて」と箱に詰めてプレゼントしました。
その妻楊枝入れを雑貨屋さんで受け取ってくれたのでしょうね。
小学生の女の子が妹に手紙をくださいました。
1行1行優しい思いがあふれていました。
家族や親類以外には、知り合いがほとんどいない妹の
存在そのものを認めてくれた手紙でした。
言葉はもどかしいものですね。
「ありがとう」の言葉をどれほど重ねても言い尽くせない思いです。
手紙には3羽の折鶴が添えられていました。
可愛い小さな手で折られた折鶴はその日から妹の宝物になりました。

黒岩智恵子の接遇セミナー 絶景
2013/09/26
今日も接遇塾「接遇セミナー」にお立ち寄りいただきありがとうございます。
先日電車の中で見かけた光景です。
ある駅で老夫婦が電車に乗って来られました。
ご主人は杖をついていらっしゃいます。
先に車内に入られた奥様が空席を探している感じでした。
すると、座席に座っておられた方が3人同時に立ち上がり
「どうぞ」
通路を挟んだ反対側に座っていた若い男性まで「どうぞ」。
私は、少し離れた所に乗っていたのですが、瞬時に現れた絶景のようでした。
結局ご主人は、一番近くの席を譲ってくれた方にお礼を言って座りました。
奥様は皆さんにお礼を言い、ご主人の前に立たれました。
あいにく、座席を譲ってくれた方々はバラバラのお席だったので隣は空いていなかったのです。
すると、今度は数人の乗客の方が奥様が隣に座れるように席をずらして空けてくれたのです。
絶景には続きがあったのですね。
景色と違って、瞬間、瞬間にしか現れない絶景。
しっかり、心でシャッターをきりました。
「こうしてあげたら喜ばれるかも」「こうしてほしいと思っているかも」
そう思ったら、心にブレーキをかけることなく実行しましょう。
絶景は、いつでもつくれるパワーを持った私たちです!

黒岩智恵子の接遇セミナー ポジションチェンジ
2013/09/25
今日も接遇塾「接遇セミナー」にお立ち寄りいただきありがとうございます。
私は通路側が好きです。
何のことかというと、飛行機や新幹線の座席です。
ところが最近は、窓際の魅力を感じつつあります。
昨日も窓際の座席にしてみました。
眼下に広がるきれいな景色に思わず写真撮影です。
不思議なものですね。地上が神秘的に見えます。
白い波が地形を優しくかたどっています。
地上にあっては、空を神秘に思い
空にあっては、地上や海を神秘に思う。
立ち位置を変えることによって見えてくるものは結構多いですね。
接客、接遇ではロールプレイングの手法を使って練習することがあるかと思います。
どうか、その際はお客様役(患者様役)、応対役を交代するときには
本当に場所を入れ替えることをおすすめします。
「じゃあ、今度は交代してやってみましょうか」
で、そのままの立ち位置で役だけ交代するよりも見えてくるものは多いです。
ロールプレイングの目的は、応対をする側だけが練習するのではなく
お客様役としてどう感じるかも、大きな目的のひとつです。
まぶしいくらいの秋の日差しを翼に受けて飛ぶ機内で
わずか数分前の羽田は雨だったことを忘れていました。

黒岩智恵子の接遇セミナー ユーモア
2013/09/24
今日も接遇塾「接遇セミナー」にお立ち寄りいただきありがとうございます。
接客サービスにおいてユーモアはとても大切だと思います。
とはいえ、人を笑わせるのは泣かせるよりも難しいです。
友人と小料理屋さんへ行ったときのこと。
「○○と●●と・・、それと春巻きをお願いします」
私たちのオーダーに、店員さんは「はい、はい」と相槌を打ちながら聞いてくれました。
そして、一旦厨房へオーダーを伝えに行かれましたが、
少しして戻ってきました。
「お客様、申し訳ございません。春巻きはやっておりません。」
「えっ?そうでしたっけ?」
もう一度メニューを見ようとした私たちに
「私も、あれっ?うちは春巻きやってなかったはず・・と思ったのですが
知らないうちに始めているかもと思い確認してきました。」
人懐っこい笑顔で、ユーモアたっぷりに説明してくださいました。
「すみませ~ん。メニューを見間違いました」
思わず笑いに包まれた空間でした。
一気に「この店員さん、話しやすそう」に変わります。
型にはまったマニュアルよりも、人間味のある応対がリピーターをつくります。

黒岩智恵子の接遇セミナー 師匠
2013/09/23
今日も接遇塾「接遇セミナー」にお立ち寄りいただきありがとうございます。
立派な建造物を見るたびに職人さんはすごいなと思います。
未来何百年、何千年と残るものを作ることに携われるのは羨ましいですね。
そんな職人さんの技は、師匠から教わったもの。
手取り足取り教えられたものもあれば、盗んで覚えたものもあるでしょうね。
私たちの接客サービス、接遇も同じです。
上手だなと思う人がきっと周りにいらっしゃいます。
よ~く観察してみてください。
そして真似をしてみてください。
どんなふうに話しかけているのか。言葉をそっくり真似てみる。
上手くいかなかったら、今度はどんな立ち位置で話しかけているのか観察してください。
また真似てみてください。
上手く出来なかったら、今度は表情を観察してみてください。
また真似てみてください。
そんなふうに、まずは上手な人の技を盗むことです。
偉大な「師匠」は私たちの周りに必ずいます。
「う~ん!それでももっと勉強したい」と思われたら
ぜひ、接遇塾セミナーにいらしてくださいね。(#^.^#)

黒岩智恵子の接遇セミナー はたらく
2013/09/22
今日も接遇塾「接遇セミナー」にお立ち寄りいただきありがとうございます。
先日行ったスポーツの施設でもう一つ気づいた光景があります。
観客の間を、係りの方がゴミを集めていらっしゃいました。
手にはゴミ袋を3つ持っています。
分別しながら収集しているようです。
「ゴミはありませんか」
観戦の邪魔にならないように膝を折って声をかけていらっしゃいます。
試合が盛り上がると待機し、また笑顔で声をかけています。
みるみる内にその方のゴミ袋はいっぱいになりました。
その施設には、同じお仕事をされている方がたくさんいらっしゃいます。
他の方は・・・というと立ったままおしゃべりしている方もいます。
袋を持ったまま、あちらこちらスピーディに動いている方もいます。
スピーディ過ぎて誰も声をかけることができません。
皆さん、ゴミ袋は空っぽです。
手に持ったゴミ袋は、そのまま明日も使えるくらいきれいです。
人ごみを縫うように多くのゴミを収集しているその方は、
多くの「ありがとう」も集めていらっしゃいます。
「はたらく」ことを自ら楽しくされている光景を拝見した気がしました。

