接遇塾blog

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目のやり場

2021/06/02

出張帰りの電車

丁度帰宅ラッシュと重なった。

皆、一様にスマホを見ている。

私は電車でスマホを見ると車酔いになる。

従って電車では見るものがない。

見るものがないから目のやり場に困る。

四方八方どこを見てもスマホの画面が見えてしまうのだ。

電車ビジョンに目をやるも

視線を感じたのかドア付近に立っていた青年が

ちらっとこちらを見る。

「いやいや、あなたのスマホではなく

頭の上のビジョンを見ていたのです。

あなたのスマホには一ミリも興味がないです」

心の中だけで視線に反論する。

仕方なく

進行方向に視線を変える。

座っている人のスマホが見える。

どこを向いても見たくないのに盗み見状態だ。

さて

視線は多くを物語っている。

キョロキョロしている人

視線の先に時計がある人

こういった視線の向きは想像に難くない。

スタッフの動きを厳しい目でじっと見ている人

これには当然のことながら注意が必要だ。

まだ待たせるのか

私の頼んだことはやってくれているのか

乱暴な動きをする人だ

総じて不満のビームだ。

「目は口ほどにものを言う」といわれる。

いやいや

「目は脳がむき出しになっている部分」

口以上に雄弁でなのである。

 

雑談は節度をもって

2021/05/31

以前住んでいた家の近くにコンビニがあった。

時々話好きな店主の奥様が店番をしていた。

「素敵なスカートね」

「ありがとうございます。外国のブランドなんです」

バーゲン品だったがそこは隠して見栄を張った。

「わたしね、年を取ったらメイクは控えめが良いと思うの」

いきなりの言葉。

この状況では多くの人が自分のことだと思うだろう。

私も思った。

一番他人に見られているのに

自分では鏡か反射するものがないと確認できない。

「つけまつ毛とか太めのアイラインとか

年を取るとやっちゃあいけないと思うの」

”良かった。どちらも付けてはいない”

鏡を見ずともひとまず確認はできた。

どうやら知り合いの女性がお買い物に来たようだ。

そのメイクが気になり

入れ替わりに入ってきた私に自論を述べたようだ。

さて

職場でもお客様や患者様との雑談の中で

誰かやどこかの悪口に同意を求められて困ることがある。

「そうですね~」

「そうなんですか」

「噂でちらっと聞いたことはあるんですが

 詳しくは知らないんです」

とやり過ごすのが賢明だ。

間違っても悪口に同意してはいけない。


「私ね、日本人に外国のブランドは似合わないと思うの」

次のお客様とこんな会話がなされているのではと

コンビニを後にした私の脳裏を

一抹の不安が横切った。

 

コーヒー1杯の威力

2021/05/30

出張先でお昼ご飯をご馳走になる。

数回連れてきていただいた蕎麦屋さん。

このような状況でもお客様がひっきりなしの繁盛店だ。

店に到着すると

既に3~4組のお客様が待っていた。

というわけで20分くらい待つことに。

いそいそと店員さんが動いているのをみていると

待たされている感がしない。

やがて

席に通されお料理が運ばれ

いつも通りのおいしさに何の不満も感じていなかった。

が、女将さんはそうではなかったようだ。

「今日はお待たせをして申し訳ありませんでした」

コーヒーを運んできてくれた。

お待たせをしたお詫びとのこと。

念のため言っておくが

クレームを言ったわけではない。

「まだですか」などと催促したわけでもない。

ましてや表情に出すわけもない。

女将さんとしては

お待たせをしたことで気が休まらなかったのだろう。

これだけの繁盛店になると

細やかな気配りは忘れがちになる。

忘れるどころか

繁盛してもなお、気配りができる女将さんこそが

繁盛店の所以である。

 

ひと言足すだけで

2021/05/29

空港の保安検査場を通過した。

新任スタッフが現場に出始めるころだ。

「おにもつをよこにしてもいいですか」

棒読みのセリフが初々しい。

ゲートを通過した先で何やらもめているところに出くわした。

もめ事があると、つい聞き耳を立ててしまう。

性格が悪いのではない。

好奇心が旺盛と言っていただきたい。

「これのどれがダメなんですか」

小柄な青年がスタッフに穏やかな口調で文句を言っている。

どうやら工具箱を手持ちバッグに入れていたようだ

工具箱といっても手の平サイズぐらい

束にして使ってもハイジャックはできそうもない

しかし、そこはダメなものはダメ。

新任スタッフであろうと空の安全は毅然と守らねばならない。

「それよりも、まずはもう一度あちらを通り直してください」

おとなしめだが字面だけ見ると

結構きつい。

セキュリティーゲートまで戻るよう指示された

工具箱の青年は

再び不満を口にする。

何といったかは判別できなかった。

新任女性の後ろには屈強な男性先輩が控えている。

工具箱青年が空手か柔道の有段者でもない限り

一瞬で羽交い絞めにされるだろう。

まあ、どう見ても工具箱青年に勝ち目はないのだが

新任女性も

「それよりもまず」ではなく

「申し訳ございませんが」

「お手数ですが」

など相手に配慮を示す言葉があればことはスムーズに進んだと推察する。

 

伝えることの難しさ

2021/05/28

このコロナ禍、美容院に行くのが恐い。

誤解なきよう補足するが

全ての美容院が恐いわけではない。

私の行きつけの美容院に限ってである。

なぜか私の隣に座るお客様は

総じてマスク無しでしゃべり続けるのである。

あるときはずっと好みの韓流ドラマについて話していた。

またある時は

職場の上司の不満を高らかに話す人だった。

またまたある時は

10万円の給付金について不満を述べ続けた。

美容師さんは

「おしゃべりはお控えください」

とは言えない。

下手に注意でもしようものなら

店の悪評が一気に広がる恐れがある。

さて

どんな職場でもお客様に注意を促したい時がある。

しかし

相手はお客様、パワーバランスがそこに存在する。

中々言えるものではない。

そんな時は順番を考えながら言うとよい。

1 感謝の言葉から言う

2 ダメな理由を言う
  (お客様に指摘が難しければ他の理由を言う)

3 代替案を言う

4 感謝の言葉で締めくくる

「いつもありがとうございます」

「都の方から私共スタッフは施術中の会話を控えるように言われております」

「もし、よろしければあちらのお席がゆっくりとできますので

 ご移動させていただきましょうか」

 「ご協力ありがとうございます」

こうやって暗におしゃべりを控える状況を知らせると同時に

他のお客様と引き離す。

「会話はお控えください」だけだと不十分だ。

特に女性はおしゃべりを遮られると

ものすごく強いストレスを感じること必至。

ご用心あれ。

 

余分なおまけ

2021/05/28

新しいプリンターは快適である。

昨日は九州の企業様2か所とつなぎZoomの研修だった。

Zoomの場合はテキストのデータを送るので

自分の分だけ印刷する。

明日から4日間企業様研修の連続。

200枚以上の印刷、こちらもサクサク終わった。

新しいインクも購入した。

箱を開けてみる。

何やら分厚い袋が入っている。

なんと写真紙が30枚付いている。

もしや

写真紙付きなどという余分なものを買ってしまたのか

写真など10年近く印刷などしたことがない。

よくよく見ると「もれなくプレゼント」と書いてある。

インクは3~4回買うとプリンター本体が買えるほど高い。

そんなものを付けるくらいなら安くしてほしい

と恨み節のひとつでも言いたくなる。

さて

お客様や患者様に説明をする際も

あれやこれと長々説明をする人がいる。

相手の気持ちはお構いなし

話し出したら止まらない。

「余分なおまけ」状態だ。

相手が例え笑顔で「はい、はい」と相槌を打っていたとしても

本音は脳より遠い足先に出る。

足先が出口の方を向いていたら

「もう帰りたい」「お願い、もう帰らせて」のサインだ。

早々に話を切り上げることをお勧めする。

 

北風言葉と太陽言葉

2021/05/27

昨日は都内の企業様での研修だった。

ご縁をいただいて8年目。

毎年、多いときは年4~5回のご依頼をいただく。

ありがたいことだ。

ふと8年前の自分はどんなだったろうと考える。

もっと体が軽かった。

フットワークではない。

重さのことだ。

先日幼馴染からメールが来た。

彼女はすらっとした美人で

学生時代、男子学生に人気があった。

いわゆるモテモテだった。

「転がった方が早いです」

「こんなに太るとは思っていなかった」

「昔の面影はありません」

メールの文字に

にわかには想像が追い付いて行かない。

いや、少し想像してみた。

・・・・。

時の流れとは残酷なものである。

当方も腹部には2重3重に脂肪がつき

洋ナシ体系であることを告白した。

お互い結果にコミットするものでも始めない限り

コロナ収束の暁にはふっくら同士のご対面となる。

さて

マイナス言葉をプラス言葉にするという

コミュニケーションの手法がある。

私はイソップ童話になぞらえ

「北風言葉と太陽言葉」と銘打ちワークを実施している。

相手が自分の欠点を言ったとき

プラスに置き換えてあげるといった手法だ。

「おおざっぱなの」

「おおらかってことですね」

「うるさいほどのおしゃべりなの」

「社交的なんですね」

といった具合だ。

欠点だと思っていたことがそうでもないとわかると

モチベーションが上がる。

件の幼馴染の場合

「年齢が行くにつれてふっくらした方が若々しいね」

「身長があるからちょうどくらいよ」

といったところであろうか。

プラスの言葉と言えども選ぶ必要はある。

間違っても

「貫禄が出てきたね」

等とは言ってはいけないのである。

 

クロスセリング

2021/05/26

「お客様、当店特性のハムはいかがでしょうか」

ワゴンに載せてうやうやしく運ばれてきた。

豚の足が美しく固定されている。

こんな高級な場所に慣れていない私は

一瞬ぎょっとする。

慌てるなかれ。

その場でハムを切り分けてくれる趣向だ。

食事が進むとタイミングを見計らい

「お飲み物はいかがですか」

とメニューを優雅に差し出してくる。

一口飲んだ紅茶に思わず

「おいしい」と言おうものなら

「当店の1階で販売しております」

まるでテーブルに花を添えるように

嫌味なくあくまで優雅に

クロスセリングが店内あちらこちらで行われている。

客の方も一様に笑顔で応じている。

さて

客単価を上げるためにはクロスセリングが欠かせない。

しかし

嫌がられるのでは

と考えてしまいがちだ。

たまには嫌がられる。

それでもクロスセリングは商売をする上では必須のスキルだ。

クロスセルを成功させるコツは

「お客様のメリット」を一番に考えることだ。

生ハムの場合

食事が運ばれてくる間お飲み物と一緒に楽しんでほしい。

食事途中の飲み物の場合

そろそろ追加のドリンクを所望ではないか

こちらから声をかけよう。

スタッフを呼ぶ手間が省ける。

お客様のメリットとはいえ

店側の魂胆が見え隠れするのは仕方がない。

双方にメリットがあってこそ商売は成立する。

 

教える相手に教わる

2021/05/25

「先生、何時に寝て何時に起きていますか」

新入社員研修で伺った先で受講生さんに聞かれた。

「10時ころに寝て6時くらいに起きてます」

「5時に起きるのがいいらしいですよ」

すかさず返ってきた。

若いのに5時起きとは偉いなと思いつつ

「頑張ります!」と答えた。

早起きは苦手ではないが遅く起きるのも苦手ではない。

要するに寝すぎなのだ。

小学生の時父親に

「おい、起きろ!早起きは3文の得だ」

と起こされ

「3文しか儲からないなら寝る方がいい」

と布団に潜り込んでいた。

しかし

答えたからには頑張る。

ここが誰も言ってはくれないが私の良いところである。

さて

指導者に抜擢された方は

当然のことながら教えることに一生懸命になる。

しかし実際には教わっていることが意外と多い。

言ったことが伝わらない。

伝え方を変えるよう教えてくれている。

違う捉えられ方をした。

説明の仕方が悪いことを教えてくれている。

ことほどさように

教える相手に教わっているのである。

「触れ合う全ての人が私の先生です」

これは以前指導者の心得として教わった言葉である。

かつて父親の言葉は無視した私であるが

若き受講者さんからは素直に教わるのだ。

 

練習方法

2021/05/24

頭を使うのが認知症予防になると聞いたことがある。

結構使っている方だと自負している。

会社員時代には車で通勤していた。

片道30分はかかる。

「いらっしゃいませ。こんにちは」

「お電話ありがとうございます」

車中ではもっぱら一人ロープレをやっていた。

研修の講義を朗々と述べながら走るときもあった。

誰も聞いていないので絶好の練習場所であった。

赤信号などで隣に車が止まるときがある。

そんな時は自分に停止ボタンを押せばよい。

うっかり停止ボタンを押し忘れるときもあった。

そんな時は顔面体操をしている体を装った。

セミナーでこんな体験談を話すと

「先生も練習していた時期があったと聞いて安心しました」

先日の受講生さんの言葉だ。

こんな体験談でも受講生さんの励みになったりする。

セミナーでは練習方法と共に資料もお渡ししている。

「こんな資料が欲しかったんです」

受講生さんは押しなべて喜んでくれる。

もっと練習方法を編み出さなければと思う瞬間でもある。

おかげで

プログラマー並みに頭を使っているのである。

 

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