売れない理由
2022/09/25
商店街の衣料品店の前に人だかりができている。
明治座のお客様の流れだ。
問屋さんが営業しているのでびっくりするくらい安い。
店の外に安い赤札商品をずらっと並べている。
これが磁石となってお客様が中へと吸い寄せられていく。
思わず私も店頭の服を手にとり買いそうになった。
危ない、危ない。
問屋さん価格はついつい量が増えてしまう。
100円ショップで余計なものまで買ってしまう感覚に似ている。
理性で踏みとどまり歩き始める。
と、隣の洋品店は
入口のドアを閉め店員さんが中からじっと外を見ている。
まるで番人のようだ。
この店のオーナーは隣との売り行きの差を
どんな尺度で図っているのだろう。
「商品が悪いから」
「明治座に近い方が有利」
「店員さんが若いから」
売れない理由はもっと単純な所にある場合がある。
入口のドアを開けておけば良い。

注意事項
2022/09/24
明治座はよく出かける。
近くに住んでいたというのもあって身近に感じる。
ショーは勿論だが売店の活気も好きだ。
商売っ気を前面に出して呼び込みをしている。
一種の異空間だからこうあるべきと思う。
しかし
現実の世界に引き戻す行為も増えている。
コロナの精か注意事項が多すぎる。
「上演中の写真撮影はお断りします」
「飲み物以外のお食事はご遠慮いただいております」
「ペンライトは・・・」
「お席のご移動は・・・」
退場の際は
「ご案内するまでお席でお待ちください」
といったかと思えば
「午後のお客様が入場します。お早めにお帰り下さい」
他にもいくつかあったが多すぎて忘れてしまった。
上演中以外はず~っと館内放送で注意されっぱなし状態だ。
ダイアナ・ロスさんがニューヨーク公演の際
「動画、写真ドンドン撮ってOKよ。フェイスブック、インスタドンドン上げてね」
と言っていたそうだが
やはり世界的なエンターテイナーは格が違う。
先日のコーラスラインのミュージカルも
「只今、撮影OKです」が表示され大変盛り上がった。
ダメ、ダメと当たり前のように注意するのではなく
ひとつでもOKにする方法を考えていきたいものである。

斎藤真一とごぜさん
2022/09/23
斎藤真一さんの絵が見たくて新潟へ行った。
絵というより強烈な「赤」に興味が惹かれた。
目の不自由な芸能者の方々(ごぜさん)を描き続けた画家である。
街中の古民家が常設展示場となっていた。
斎藤さんのアトリエを再現されていて
寄贈された数々の原画を見ることが出来た。
もとより、にわかファンのため斎藤さんのことも
ごぜさんのことも詳しくなかった。
「東京から斎藤さんの絵を見たくてきました」
という私たちに
ごぜミュージアムのスタッフの方は丁寧に説明してくださった。
ミュージアムを預かる責任からか
豊富な知識にただただ頭が下がる。
こぜさんのこと
斎藤さんのこと
伝えたい思いがほとばしるようだ。
長年研究をされたのだろう。
熱心に仕事をする人の空間は心地がよい。
ついつい長居をしてしまった。

閉店時間を過ぎたうどん屋さん
2022/09/22
遅い昼食を取ろうと
うどんやさんに向かった。
しまった、15時までの表示。
時間は15時を少し過ぎていた。
あきらめかけたころ
店外に私たちの姿を見つけた店員さんが急ぎ出てきてくれた。
「いらっしゃいませ。どうぞどうぞ」
何らかの理由で15時閉店は見送られたのだろうか。
せっかく来てくれたお客様だからと入れてくれたのか。
この女性店員さん
私たちの後にも3組のお客様を招き入れていた。
すぐに飛び出ていきお客様を招き入れている。
入口に常に意識を向けている証拠だ。
彼女はオーナーでもオーナーの奥様でもない
従業員の一人だ。
やはり
店員さん一人で売り上げは違ってくる。

そろそろ
2022/09/21
研修先の企業様でビニール幕はまだ外してダメかと聞かれた。
私としてはもうずいぶん前から
「不要ではないか」と感じていた。
しかし、まだ不安に思っている人が多いのも事実。
「もう少しこのままにしておきましょうか」
と答えた。
マスクの効果もさることながら
ビニール幕やアクリル板は必要だったのか。
心理的負担を減らす以外に
どれだけの効果があったのか
恐らく誰も調べてはいない。
右へ倣えで取り付けてしまったのだろう。
天井から台の上まで垂れ下がり空気の対流を悪くしている。
マスクをして応対しているところは
そろそろ幕を取り外して
換気を良くする頃だと思うのだが
いかがなものだろうか。

料理長の「ありがとう」
2022/09/20
「ありがとうございました!」
調理場から満面の笑顔の料理長が声をかけてくれた。
ホテルや旅館などで調理場から声をかけられることは珍しい。
作業に集中しているし
そもそも視界が遮られている。
このお宿も見通しがいいわけではない。
恐らく中居さんの声を聞いて
そろそろお客様が通るころと
意識を通路に向けているのだろう。
張りのある声と笑顔で仕事へのプライドが見て取れる。
自分の仕事の領域を自分で決める人がいる。
自分の縄張りを侵されたくはない
自分の縄張り以外は手伝わない
そう言う人に限って「私は仕事が出来る人」
と思い込んでいるやっかいな人が多い。
本当に仕事が出来る人は垣根など感じさせない。
まさにそんな料理長が作ったものだ
美味しくないわけがない。
笑顔の向こうに見えた調理場の器具もピカピカに磨かれていた。

逃げ場のない目標
2022/09/19
念頭に立てた目標も期限が迫りつつある頃
目標の立て方について。
逃げ場のない目標が良いらしい。
「今年中に3キロやせる」
これには期限も数字も入っているので良い目標ようだが
2キロ減ぐらいになると
まだ期限があるから「まあ、いいか」と気が緩む。
あっという間に元に戻る。
その内言い訳を考え始める。
急激に痩せると体に良くない
絞ればいいから重さは問題ないんじゃないか
そもそも、そんなに太っていないし・・・
逃げ場を考えるのは人間得意である。
ではどんな目標が良いか。
「4階まではエレベーターを使わず階段を上る」
これでよ良い。
これを続ければ良い。

言いにくい情報
2022/09/18
新幹線に乗る前はたまに駅弁を買う。
移動の時間や到着時間を考えて車中で食べるためだ。
ご当地物はそれだけで興味をそそられる。
ショーケースを除いていると
「申し訳ありません。あとサケ弁当が一つになっております」
予想よりも売れたのか
ショーケース内の10種類くらいの駅弁が売り切れ
ただひとつサケ弁当だけが残っているとのこと。
その後も店員さんを見ていると
ショーケースにお客様が近づくと
いち早く
「申し訳ございません。サケ弁当がひとつになっております」
と繰り返している。
悪い情報を与える際はこのようにできるだけ早めに言うのがポイントだ。
早く伝えてもお客様が、がっかりするのは変わりはないが
さんざんショーケースで物色した後言われると
ガッカリではなく怒りに近いものになる。
言いにくい情報ほど早く言う。
色んな場面で覚えておいてほしいポイントである。

台本以外にある感動
2022/09/17
新幹線に乗る前はかなりの確率でコンビニに寄る。
駅のコンビニは急いでいる人が多い。
無駄話などほとんどしない。
正しく・早くが第一優先だ。
そんな真剣勝負の場で
お金と一緒に他のコンビニのレシートを一緒に出してしまった。
「あ、すみません」
慌てる私に
「いえ、いえ。見てません。見てません。全然見てませんよ」
店員さんはジョークのように言うと
更に
「私もよくやります」
とフォローまでしてくれた。
忙しい流れの中で余裕の応対だ。
地方の駅のコンビニ
再び会うことは難しいが記憶に残る時間となった。
正しい接客用語を感じよく言うだけでは感動はしない。
感動はいつも台本以外のところにある。

あったかいおにぎり
2022/09/16
お宿のご飯はいつも食べきれない。
卓上釜めしセットで栗ご飯が饗された。
お焦げがほんのり美味である。
完食したいが年と共に食の量が減っている。
にもかかわらず
何を隠そう・・・いや、隠しようもないが
体の肉付きはどんどん増える。
話を元に戻す。
半分ほどいただき
勿体ないが釜の蓋を閉めて別れを惜しもうとしたところ
宿のスタッフさんが
「サランラップがありますよ。おにぎりにしてお部屋へどうぞ」
一旦は断ったが
「食べれなかったら処分すればいいから」
スタッフさんの押しのひとことに
なぜか母を思い出した。
傘はいらないという私に
「そんなに荷物にならないから」と無理やり持たせた。
にわか雨には助かったものだ。
ありがたくラップをいただきおにぎりにした。
ラップを通じて伝わるご飯の温かさは
思いのほか熱かった。

