台本以外にある感動
2022/09/17
新幹線に乗る前はかなりの確率でコンビニに寄る。
駅のコンビニは急いでいる人が多い。
無駄話などほとんどしない。
正しく・早くが第一優先だ。
そんな真剣勝負の場で
お金と一緒に他のコンビニのレシートを一緒に出してしまった。
「あ、すみません」
慌てる私に
「いえ、いえ。見てません。見てません。全然見てませんよ」
店員さんはジョークのように言うと
更に
「私もよくやります」
とフォローまでしてくれた。
忙しい流れの中で余裕の応対だ。
地方の駅のコンビニ
再び会うことは難しいが記憶に残る時間となった。
正しい接客用語を感じよく言うだけでは感動はしない。
感動はいつも台本以外のところにある。

あったかいおにぎり
2022/09/16
お宿のご飯はいつも食べきれない。
卓上釜めしセットで栗ご飯が饗された。
お焦げがほんのり美味である。
完食したいが年と共に食の量が減っている。
にもかかわらず
何を隠そう・・・いや、隠しようもないが
体の肉付きはどんどん増える。
話を元に戻す。
半分ほどいただき
勿体ないが釜の蓋を閉めて別れを惜しもうとしたところ
宿のスタッフさんが
「サランラップがありますよ。おにぎりにしてお部屋へどうぞ」
一旦は断ったが
「食べれなかったら処分すればいいから」
スタッフさんの押しのひとことに
なぜか母を思い出した。
傘はいらないという私に
「そんなに荷物にならないから」と無理やり持たせた。
にわか雨には助かったものだ。
ありがたくラップをいただきおにぎりにした。
ラップを通じて伝わるご飯の温かさは
思いのほか熱かった。

金メダル級
2022/09/15
宿に入った。
ここは初めて泊まる宿だ。
丁度、部屋に西日が差して暑い。
エアコンを急いで付けるも温風のような風しか来ない。
冷えるまで待っていられず売店に冷たいドリンクを買いに向かう。
地元の特産を使ったアイスに目が惹かれる。
お風呂上りには欠かせないアイスだ。
しかし
大体、このようなお宿の冷蔵庫は冷えないのが常ときている。
「部屋の冷蔵庫って冷えないよね」
と店員さんに問う。
「う~ん、アイスは食べる寸前に買いに来ていただくのがいいですね」
そうしたいが、売店は7時閉店だ。
すると店員さん
「フロントにお持ちいただくと事務所の冷蔵庫に預かりますよ」
「え、良いんですか」
「はい、事務所の冷蔵庫ならアイスも溶けません。
フロントで話が通じなかったら
『3時ごろ売店にいた人がそういってました』と言ってください」
スマートでなくてもよい。
お客様のためにと考えたサービスを伝えることは
例えそれが実行されなくても
金メダル級なのである

サービスの引き算
2022/09/14
機内アナウンスは多少の差がある。
「皆様の右手に富士山がご覧になれます」
必ず言うわけではない。
富士山がきれいに見えていても何も言わない場合もある。
それは別に問題ではない。
が
昨日のアナウンスは多かった。
富士山だけではなく○○の上空、○○島など数回にわたって
アナウンスが流れてきた。
アナウンスされてもそれが見えるのは
左側の窓側に座っている乗客だけだ。
それ以外の乗客は「ふ~ん」と思うだけだ。
喜んで席を立って見に行く人は勿論いない。
出張先で新しいテスラ車に乗せていただいた。
日本でもまだ限られた数しか見られない新モデルだ。
テスラは新しいモデルが開発されるたびに
無駄がドンドン省かれている。
後部座席など足元含め何もない。
新しい機能がてんこ盛りのスマホの新機種とは真逆だ。
サービスも「本当にそれ必要?」と
引き算を考えるべきだと
改めて考えた。

小休憩
2022/09/13
動き始めるのが億劫になった。
年のせいだろう。
しかし、動き始めると全て終わるまで休まない。
これは昔からだ。
途中で休憩するのが嫌だった。
仕事が好きだからではない。
休むと再びエンジンがかかるまで時間がかかるからだ。
会社員時代
「黒岩さん、小休憩に行ってきてください」と再三、声をかけられた。
「私は大丈夫ですので皆さんどうぞ」
なかなか小休憩に行かない私に
とうとうたまりかねて
「黒岩さんが先に行ってくれないと僕らがいけないんです」
続けて別の人が
「部下の気持ちがわからない人なんです」
もちろん冗談ではあったがハッとさせられた。
煙草も吸わない私が小休憩に行っても
何もすることはないが
それからは
部下の一服のために率先して小休憩に行くようにした。
周りを気遣っていると自負していても
気付かぬうちに
更に周りには気遣いをさせているものだ。

10代
2022/09/12
若者のLINE離れが進んでいるようだ。
若者と言えばLINEかと思いきや
既に次のステージに進んでいる。
研修をするにあたってコアな顧客層の動向を知ることが大事だ。
自分に近い年齢層なら何とかなるが
10代ともなるとまるで分らない。
アンテナもどこにどうやって張ればいいのか
まさか10代の読む雑誌など読めない。
それはそうだ。
買うのに勇気がいる。
流行っている歌など全部外国語に聞こえる。
フェイスブックやググるなど「何それ?」と言われてしまいそうだ。
時々入り込んでくるリール動画など
アプリを使っているからか
皆、同じ顔に見える。
ひとつ見つけた解決方法は
現役の大学教授の書いた本を読むこと。
まさに同じ窮状に立たされている。
現状も対策のヒントも得られるからおすすめだ。

言葉の花束
2022/09/11
出張の際にはいつもお世話になる宿がいくつかある。
スタッフの方もとても親切だ。
朝食を済ませ部屋に戻ろうとした際
女性スタッフの方が
出口まで見送りに来てくれた。
「ご馳走様でした」と挨拶し出ていこうとすると
「お忙しいと思いますが、頑張ってください」
と笑顔で声をかけてくれた。
贈り物をいただいたような気がした。
言葉は「花束」に似ている。
相手への思いを束ねて贈る。
決して高価で豪華な言葉でなくてよい。
飾った言葉でなくともよい。
さりげない言葉に
笑顔のリボンが添えらていれば
何日でも頑張れる。

100点満点の研修生
2022/09/10
スーパーのレジで研修生がいる場合は
「こちらのレジは研修生です」と表示してあるときがある。
他の人はわからないが
私はあえて研修生のレジに並ぶ。
昔と違いレジはバーコードだし
今どきの若者はレジ操作など造作もない。
しかも教えられたばかりの接客用語なので丁寧だ。
ベテランさんがやっていないお辞儀だってキチンとする。
ベテランさんは自分がやっていなくても教えるときはちゃんと教える。
コンビニの研修生だって
「よろしかったら袋にお入れします」
と袋詰めまでやってくれる。
「必要なものはございませんか」
とお手ふきや割りばしの有無も丁寧に聞いてくれる。
教えられたてほやほやの研修生は
100点満点なのである。

客足が遠のく原因
2022/09/09
ファミリーレストランへ打ち合わせに行った。
ドリンクバーでドリンクをいただく。
コップを設置しアレっとなった。
機械の操作方法がわからない。
自慢ではないがドリンクバーの機械操作で困ったことはない。
なぜなら、どこの機械も単純だからだ。
2~3回トライしたがむなしく音が鳴るだけで
肝心のドリンクは出てこない。
店員さんを呼び止め尋ねた。
すると店員さん
「ここを押して、次にここを押してこうすると
ドリンクが出てきます」
結構、古いタイプの機械で3回くらいボタン操作が必要だった。
が、
問題は、それではない。
店員さんの声のボリュームだ。
店内にいきわたる位の大きいな声だったのである。
機械操作がわからない人としてアピールされたのである。
状況を考え、ボリュームを調整できるのが人間である。
配慮ともいう。
更に、お客様との接点はサービスを提供できるチャンスでもある。
「機械が旧式なのでわかりづらいですよね」
「また何かございましたらお声がけください」
とでも言われれば足も向きやすいが
客足を遠ざけているのは社会情勢よりも
現場での対応によるところが多い。

スマホに見入る店員さん
2022/09/08
移動中、食事処を探して駅近くのビルに入った。
結構な店がひしめき合っている。
お昼時は過ぎていたので
どこの店もお客様はほとんどいない。
店員さんが店の外に出て立っている。
お客様を呼び込んでいるのではない。
いや、立っている目的は呼び込みだと思うが
皆、どの店員さんもスマホをいじっている。
通路の端から眺めると異様な情景だ。
店の外に立っている店員さんが
皆、うつむいてスマホを見ているのだ。
前を通りかかるとチラッと上目遣いに見るが声はかけてこない。
下手に店に入ろうとすると
邪魔をするなと怒られそうなので
早々に立ち去った。
アメリカのデータだが1日にスマホを見る回数は
何と、平均96回だそうだ。
一日に100回近くいったい何を見ているのか。
その情報をいったい何に役立てているのか。
「お客様に来てもらうのにはどうしたらいいのか」
といった情報でないことは確かだ。

